Question
 Question
エッチング加工できる材質・物質について
 Answer
ほぼ全ての材質・物質についてエッチング加工は可能です。
一部不可なものもありますが、各材質・物質等につきましては弊社担当者までお問い合せください。
 
 Question
形状その他の関係から放電加工肌のまま、シボ加工をお願いすべく専門メーカーへ持ち込んだところ加工が困難として断られた。金型素材はSKD-61の焼き入れ焼き戻し済でこれも問題のひとつとのこと。技術的問題点は何か。
 Answer
骨子として1)SKD-61を熱処理し、高硬度の状態にあること、2)そのうえから放電型彫りで加工し、機械もしくは手磨きを実施していない、放電加工面そのままの状態であること、以上2点である。直接金型は拝見していないが、説明された範囲内の状況からは加工に致命的な問題はなく、金属組織としては緻密、腐食加工には好適である2)放電加工のまま機械的精度が保たれている。磨ける範囲は磨き、不可能な部分は放電のまま混在した加工面より均一な仕上がりが可能である。このように有利な条件を不利とするのは過去の技術の延長上にあるからであり、技術的問題点などは存在しない。

 Question
設計変更があり、金型に一部入れ子を嵌め込み、入れ子ライン(製品に“線”として現れる)を出さぬために同ライン沿って熔接をするが、同製品面はシボ加工範囲内にある。問題はないか。
 Answer
金型と熔接は縁が深い?のか、昔からご質問の中でも多数を占める。問題はむしろ熔接の健全性にある。熔接材料、熔接方法、前後の熱処理の要不要を厳密に選定することが大切である。現在では金型用鋼材を供給している製鋼メーカーにより安定した熔接材料、使用方法に対するサポート、ノウハウが開示されており、それらを参考にされたい。極論すれば、ピンホール、割れがなく良好に接合されておれば化学彫刻法に代表される弊社の腐食加工時に問題はない。トラブルの多くは、腐食加工以前の段階の問題なのである。金型材料がS55Cや、SCMが全盛であった頃は、熔接部位の硬度が上昇(二番が硬化すると表現されていた)するために、特に熔接後の焼鈍が必要とされたが、現在の市販材料はむしろ低下するほどで、硬度の復帰も簡単である。よほどに光沢の均一性を必要とする要求がない限り、省略される傾向にある。熔接材料の中でもマルエージング鋼はお薦めの一品である、ピンホール、割れのトラブルが少ないといえる。

 Question
シボ加工済の成形品は取扱いが面倒だ。絶対スクラッチ(擦り傷)等がつかないシボ(このケースでは梨地)はないのか。
 Answer
絶対、傷がつかないものはないと思います。なにしろわざと凹凸をつける加工が梨地加工ですから。ただし、それは程度によると思います。弊社の梨地(Texture Collection中ではMat.No)は特に謳ってはおりませんが、従来の梨地も含めて他社のそれと比較して、スクラッチ(擦り傷)がつき難く、汚れにも強いと自負しております。あえて強調するほどのこともないと自重していたのですが。これらは本格的な化学彫刻法による他のパターンにも共通していえることです。特にTexture Collection中(弊社サンプル一覧表)のMat.No-1〜-29は従来の梨地(Mat)にない工夫が施されており、格段にスクラッチ(擦り傷)や汚れに強く、独特の風合いを有しています。同程度の粗さ、深さの他社梨地と比較して、離型性能にも優れています。

 Question
いわゆるカラーサンプルではなく、梨地が加工された製品を持ちこんでも、それと同等の梨地は加工可能か。その場合の注意点はあるか。
 Answer
いわゆる現品合わせという加工で、勿論可能です。注意点はカラーサンプルに記載のあるminimum.draft(離型に必要な最小抜け角度)がありませんので、現品(この場合は梨地加工済製品)の梨地の粗さ、深さの測定から始め、加工すべき金型の角度その他の仕様に対して適用可能かどうかの判断を先ずしなければなりません。

 Question
イオン窒化の資料に低温処理が可能と謳ってあるが、具体的には何度ぐらいまで有効なのか。
 Answer
装置メーカーが質量分析器(X線マイクロアナライザー)を用い、窒素の侵入、固溶を確認したのは360度の処理温度からですので、これを実用下限とします。放射温度計(物体から放射される赤外線量と実温度の関係より非接触にて測温が可能な温度計)や熱電対の性質、誤差からみて400度からが安定した下限処理温度といえます。ちなみにこれらは摂氏温度です。通常処理温度は500度であり、100度近く低いと温度による歪みに対して有利です。さらに熱処理済の材料の処理に対してはもっと有利です。歪みもさることながら、CORE部(※金型のCAV、COREのCOREではなく、CASE(表面)CORE(芯部)のCOREを指します。)の硬度低下などが最小で済むからです。他の熱処理のように熱的ポテンシャルにのみ依存もしくは化学反応を併用するものでは、温度は支配的な要素ですが、イオン窒化は運動エネルギー → 熱エネルギーに変換されるためにムダが少ないのです。低温処理はあらゆる表面処理の方向を示しています。

 Question
低温処理でステンレスも処理可能ですか?
 Answer
ステンレスが使用される条件として、耐食性が必要、非磁性を維持すること、工具鋼のような高い強度も必要と現在では多種多様です。2番目の非磁性はステンレスの種類によっては、高い強度と相反する場合があります。いずれにしましても耐食性が大勢を占めると思われます。今度は逆にステンレスを窒化するケースは、摺動部分の焼き付き防止等が筆頭でしょう。摺動する部分があり、耐食性を要求し、高い強度も必要とする金型にステンレスが採用され、窒化処理を低温で実施しています。本ステンレスはマルテンサイト系のSUS440Cを基本としています。最高の耐食性と上述のCORE硬度低下と歪み防止にイオン窒化の低温処理を実施しています。窒化後の変寸は数μm(ミクロンメーター)以内です。


※金型関係のご質問に限定しましたが、化学彫刻法(シボ加工.エッチング加工.エンボス加工)、イオン窒化処理、イオンビーム加工、精密サンドブラスト加工(梨地加工)は業種にとらわれません。ご覧のお客様のお問い合わせを心よりお待ちしております。末尾のe-mail、Telをご利用ください。

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